なぜ起こるのか、原因や症状から最近話題の新しい製剤のことまで、Q&A方式でまとめました。
知識と情報を得ることで骨の健康と医療を前向きに考えましょう。
| 骨粗鬆症/Osteoporosis |
| 鬆 しょう :「す」 松の葉のまばらな感じから向こうが透けて見える様子 |
| 骨の量が減って、骨に「す」がはいり、もろくて骨折しやすい状態 骨(Osteo)に穴があいた(poro)病気(sis) Osteoporosis |
●<Q&A>
Q1.骨粗しょう症は増えているのですか
Q2.骨量は、いつごろから減り始めるのですか
Q3.骨密度の減少はどのようにすすんでいくのですか
Q4.女性は骨が細いから骨粗しょう症になりやすいのですか
Q5.女性の骨が減ってしまうしくみを教えてください
Q6.骨粗しょう症は老年期の疾患とはいえない?
Q7.骨の健康をはかる「骨代謝マーカー」とはなんですか
100年ほど前までは人生50年の時代でした。
人間の臓器、器官、骨も50年の耐用年数でよかったのですが、現在の平均寿命は男女とも延長し、特に女性では86歳を超えました。骨も臓器も、耐用年数を上回って頑張ってもらわなければいけません。骨粗しょう症だけでなく、心臓病、脳梗塞、歯周病などの生活習慣病は、加齢に伴う退行性疾患として増えているのです。

骨量は35歳くらいでピークを迎えますが、20~40代前半くらいまではあまり変わりません。しかし、平均的にみると45歳を過ぎると、明らかな低下がみられます。
ただし、骨の状態には非常に個人差があります。70歳でも40代の平均値より高いことがあり、40歳でも70代の平均値より低い場合もあります。1万人以上の方々の調査結果でも、かなりのばらつきがみられます。
「何歳までは大丈夫」とはいえないのです。測ってみなくてはわからないし、その結果にはその人の体調や生活環境などが大きく影響していると考えられます。
骨の健康チェックですが、成人(20~44歳)の骨密度平均値を100とし、そこから2割までの減少なら正常としています。2~3割の減少が「骨量減少」、3割以上減少している場合は「骨粗しょう症」と診断されます。

産科婦人科学会の調査では、閉経後2年以内で「骨量減少」になった方(平均52歳)は、だいたい5年後(57歳)に「骨粗しょう症」になっています。ところが、骨量減少が54歳でみられた方は、だいたい10年後(64歳)に骨粗しょう症になっています。この頃の2歳の差はかなり大きいということです。
さらに、58歳で骨量減少の方では25年後(83歳)まで骨粗しょう症にならないのです。
一方、寝たきりの原因といわれる大腿骨頸部骨折では、1年後には約20%の方が亡くなっています。5年の累積死亡は約30%です。背骨の骨折でも約20%の人が亡くなり、軽視できない問題です。
70歳を過ぎると2ヵ所以上の骨折が急激に増えるというデータもあります。骨量が少ない人では心臓血管系や脳血管系の障害も起こしやすく,死亡率が高いこともわかっています。
お年寄りでも骨がしっかりしている方は、動脈硬化にもなりにくいのです。
そこで、早くから減少する人を見つけ出すことが重要になってきます。そのためには骨密度や骨代謝マーカーを測る必要があります。

一般に男性の方が骨量が多いといわれますが、40代ではピーク時の女性の方が男性より骨密度が上回っています。骨の大きさは男性の方が優っているのですが、密度は必ずしも女性が少ないわけではありません。
つまり、もともとの骨密度に男女差はないのです。
しかし、女性は閉経が近付く40代後半から骨密度が下がってきます。生活習慣や加齢の影響は男女とも変わりないので、女性にとっては閉経(平均年齢50.54歳)前後におこるエストロゲンの絶対的な低下が関係しているのです。
男性は70歳を過ぎると骨量が徐々に減ってきます。老人性骨粗しょう症の一部が男性に出てもおかしくはありませんがその割合は1~2割程度です。
やはり骨粗しょう症は、閉経後の女性の病気であることが分かります。

骨は常に新陳代謝しています。古い血液が壊れて新しい血液と入れ替わるのと同じで、骨も古い骨が壊れ、新しい骨と絶えず入れ替わっています。大腿骨も3年位でつくられるので、体内に3年以上古い骨はありません。
エストロゲン(女性ホルモン)は、骨の吸収を抑える蛇口の栓のような役割をしています。しかし、更年期になると女性ホルモンが低下するので、栓が弱まってきます。すると骨の支出が増え、それを補う骨形成が追いつかなくなるので、骨の貯蓄が減って骨粗しょう症になるわけです。
わかりやすく言うと、骨の流失を防いでいるのが女性ホルモンです。
主な女性ホルモンとしてエストラジオールとエストロンがありますが、2つとも閉経の2年前くらいから下がってきます。一方、これらのホルモンを出させる働きをする性腺刺激ホルモンは閉経の2年前くらいから上がってきます。閉経後2年くらい経つと、性腺刺激ホルモンの上昇も女性ホルモンの低下も一定してきます。骨密度の加齢変化と女性ホルモンの加齢変化は同じ動きをしていますから、一番骨に影響があるのが閉経の前後2年の計4年間なのです。
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骨粗しょう症はお年寄りの病気と考えられていますが、閉経の2年前から始まっていると考えるべきです。
月経が正常な方でも47、8歳になると年間1%位骨量が減りますが、不順な方では年間3%も減少します。閉経前でも月経が不順になると急激な骨量の低下があるのです。
骨の新陳代謝は、骨を溶かし出す破骨細胞がシャベルカーのように骨を削り、骨芽細胞が骨を埋めていくのです。正常な方の骨は穴が小さいのですぐ穴埋めが出来ますが、骨粗しょう症になると破骨細胞の数も能力も活発になるので、穴埋めが追いつかないのです。
骨作りが終了しても穴がきちっと埋まっていない状態が骨粗しょう症です。女性ホルモンがなくなると、穴掘りが進み、骨作りが追いつかなくなり、大根にスがはいったような状態になり骨折しやすくなります。
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壊れていく古い骨と新しい骨。その代謝の収支結果(貯蓄量)が骨密度です。つまり、骨密度は過去の代謝の結果であって、現在の骨の収支バランスをみることはできません。
骨の溶け出し方が大きくなり、補われる新しい骨が少ない人は徐々に骨密度が減ってきますが、中には代謝疾患により急激に減ってしまう病気の方もいます。こうした個体差をみていくのに、骨の壊れる速度と作られる速度の両方を調べ、入れ替わりの速度をみるのが、「骨代謝マーカー」です
骨代謝マーカーでは、骨が溶け出して尿中に出てくる物質を調べます。この検査は99年12月から保険適用になりました。この物質(NTXなど)を測ることによって、3年後までの骨密度の減少量の予測ができます。
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