第15回メノポーズフォーラム

メノポーズフォーラム

 <第15回メノポーズフォーラム> 開催報告(2008)     
  

会場:女性と仕事の未来館4F(東京都港区芝5-35-3)
6/21(土)、女性と仕事の未来館(東京都港区芝)にて、第15回メノポーズフォーラムを開催いたしました。大勢の方にご参加いただきありがとうございました。
なお、本フォーラムの講演内容は「ニュースレター」夏号に掲載の予定です。
  → パネルディスカッション・レポート
「ミドルエイジとメタボリック
  〜元気に過ごすためには」


水沼英樹
(弘前大学産婦人科教授、
日本更年期医学会理事長)

プロフィール
「自分らしく生きるための
心の健康ガイド」

海原純子
(白鴎大学教授、厚生労働省健康大使)

プロフィール
「更年期からしなやかに美しく」
〜パネルディスカッション〜

   服部真湖(女優)
  プロフィール
小山嵩夫(小山嵩夫クリニック院長)
 三羽良枝(メノポーズを考える会理事長)

「メノポーズ健康エクササイズ」

山岡 有美
(Yフィットネスコミュニティ主宰、中京大学客員教授)

プロフィール

  ◆質問相談室 
    (希望者のみ参加)
    回答者:小山嵩夫(小山嵩夫クリニック院長)
         プロフィール
測定の様子
     


ミドルエイジからの健康のためには、信頼できる婦人科のかかりつけ医を持つことも大切です。パネルディスカッション出演者のお一人、服部真湖さんは21歳で渡米後、海外からの取材やレポーターなど語学力を生かして活躍の場を広げてこられた方。日米両方の女性医療をご存じの立場として、またこれからもっと輝きたい40代女性の代表としてご登場いただきました。客席におられた水沼英樹先生(弘前大学産婦人科教授、日本更年期医学会理事長)にもご発言いただき、社会問題となっている各科受診などのテーマにもするどく迫るディスカッションとなりました。
伊藤聡子 (司会)伊藤聡子さん プロフィール 小山嵩夫 小山嵩夫先生 プロフィール
服部真湖 服部真湖さん プロフィール 三羽良枝 三羽良枝
 更年期、自分の身に何が起こるのか?

伊藤聡子 服部真湖さん。いつもスレンダーで、今日もすてきに輝いていらっしゃいますが、これまで訪問した国が100カ国以上なんだそうです。今後もまたお子さんと、まだいってない国を旅行しようと思っていらっしゃるそうですが。

服部真湖 行ったことないところに行ってみよう」というのが家族旅行の1つのテーマなんですね。できるかぎり、記録を更新したいと思っているのですが。


伊藤聡子 いつもわくわくしていらっしゃるというのが伝わってきますね。まさに服部さんの魅力の1つだと思うのですが、ご自身の体の変化って感じたりされますか。

服部真湖 そうですね。更年期障害とはいえないと思いますが、20代、30代、40代前半と比べますと疲れが取れにくいし、朝起きた時の気分でスタートが思い通りにいかないということはあります。ひざなどをかぶつけた時のあざの治りも遅いし、体の細胞の元気になるサイクルが遅くなったなと感じますね。
それと、ここ1〜2年、極端に感じるのは目の衰え(眼鏡を出す)。アメリカでは老眼鏡という言いかたではなく「リーディンググラス」という言い方をするんですが、これがないと何も読めないんです。

小山嵩夫  それは更年期というよりは、老化との関係ですね。

服部真湖 老化ですか・・・。なんか更年期といわれたほうが立ち直れそう(会場笑い)。

伊藤聡子 さきほどの海原純子先生のお話にもありましたが、気持ちをいかに持って行くか、ということは更年期の対処のしかたとしてすごく大きいことではないでしょうか。

小山嵩夫 そうですね。それも大切なんですが、更年期に入って調子のすぐれない人は、それがわかっていても、うまく気持ちに勢いをつけることができないんですね。ですからまず、自分の体がどういう状態かということを知ることが一番大切です。「更年期の症状なのだ」ということがわかれば、不安を感じなくてすむでしょう。

伊藤聡子 メノポーズを考える会の電話相談でもいろんな世代の方のお電話をいただくと思いますが、やはり落込んでそこから離れられなくなってしまうということがあるんでしょうか。

三羽良枝 もうとにかく、一人で悩んでいる方が多いんです。そして、自分の具合が悪くて家族に申し訳ないという想いが先に立って、がまんをしてしまうという方も多い。更年期、ミドルエイジの不調は、根底に女性ホルモンの減少があるということを知っているだけでもずいぶん違うと思いますね。

 まず、「更年期症状」を考えてみる

伊藤聡子 更年期世代と言っても、服部さんはまだこれから、という年齢ですし、三羽さんは少し上の世代ということになりますが、その症状はどういうかたちで変わってくるんですか。

小山嵩夫 更年期は40代半ばからと考えるのが一般的ですが、最初は少し疲れやすいというのがあり、ほてりや発汗が出やすいですね。そして50代に入ると、エイジング(老化)とのからみあいもあり、気持ちが落込むとか、腰が痛いなどの症状が出やすくなります。
ただ、更年期症状は自律神経の症状が多いので、どんなものでも、何が起こってもおかしくないんですよ。

伊藤聡子 そこで、正しい知識をもっておかないといろいろ症状が出た時に不安が募ってしまうんですね。

小山嵩夫 女性は、50歳前後で何らかの症状が出たら、まず更年期を考えてみることが大切なんです。
ところが、日本ではどちらかというと、胃の調子が悪ければ病院で胃カメラを飲み、動悸がすると心電図などをとり、場合によっては入院検査、というふうに、各科ごとに検査を受けますね。それから、更年期の特徴として、頭(意識)が先に走ってしまって体がついて行かないというのがあるんですが、そうすると、眠れない、食欲がない、「自分はダメになった」と感じてしまう。いわゆるうつ症状が出て、心療内科でうつの薬をもらうことになる。
そういうふうに各科ごとの治療を受けていて、あっという間に5年ぐらいたってしまったという方は非常に多いですね。



 「各科受診」。医師も患者も更年期に気づかない?

三羽良枝  この会が行っている電話相談でも、その「各科受診」の問題はとても多いですね。耳鼻科や内科、精神科など、症状ごとに各科をめぐってもはっきりしない。お話を聞くと、受診先の医師に更年期の視点がなく、更年期医療のすすめもないんです。

伊藤聡子 お医者さん同士の間で、「この症状だったら更年期かも」という感じで連携はとれていないのですか?

小山嵩夫 日本は、どちらかというと専門性が重視されるところがあります。同じ症状でも、たとえば糖尿病の専門医だったら血糖など糖尿病関係をまず調べるし、肝臓専門医だったら肝臓数値を調べる。頭が痛いといって脳外科にかかれば、どうしても「頭の中に影があるんじゃないか」「血管が詰まってるんじゃないか」という対応になる。患者さんもそれを期待してその科にかかるのだと思います。
ただそうやって、3科4科にかかると、あっという間に薬が10種類ぐらい処方されてしまいます。各科受診の問題は、これから医療費削減のためにももっと啓発されていかなくてはいけないですね。水沼先生いかがですか?

水沼英樹(客席より、水沼英樹先生)おっしゃるとおりです。

伊藤聡子 それでは、専門の科にいった時に、そこから「更年期外来に行ってみてはどうですか?」という声が一言でもあってくれれば、だいぶドクターショッピングみたいなことはなくなるんじゃないかと思うのですが。

水沼英樹 そこで重要なのは、他科の医師が更年期の概念を持っているかどうかということなんです。

伊藤聡子 「更年期かもしれない」という概念を、患者はもちろん内科や皮膚科の医者にも持ってもらえるといいのですね。

 定期検診の習慣から、婦人科のかかりつけ医を見つける

伊藤聡子 服部さんは、行きつけの産婦人科というのはありますか?

服部真湖 ええ、私はアメリカでいつも自分のお誕生日前後に婦人科医に会いにいくと決めていまして。それは出産してからずっとですね。アメリカ人女性は当たり前のこととして、出産前後から婦人科の定期検診は受けています。

伊藤聡子 それは素晴らしいですね。日本では、婦人科検診や乳がん検診も「恥ずかしいから」「痛いから」というせいか、検診受診率がすごく低いんですよね。そのせいで治る疾患が治らずに終わってしまうという現状があるのは、すごく残念です。やはり、かかりつけのお医者さんのところで定期検診をうける習慣を作りたいですね。

服部真湖 私も日本で育ってますから最初は勇気がいったんですけれど、一年に一度でも同じ先生の顔を見て、「どうしてた?」なんて普通の会話をしながら、先生が私の顔色を見て精神状態もチェックしてくださっているのかなと思うとホッとします。
娘は小さい時から半年に一度歯科健診を受けているせいで、歯医者さんに行くのが全然怖くないんです。きれいにおそうじしてもらって、先生にほめられて、痛い思いをしないので歯医者さんに抵抗がないんですね。そういう感覚で婦人科にもかかるといいかなと思うんです。ましてや、これから病院のお世話になることも多い年代にさしかかりますので、なるべく痛くなってからいくのではなく、痛くなる前に早く先生に見つけてもらいたいですね。

三羽良枝 そう、訪れてみないと医師との相性もありますからね。検診で自分にあったお医者さんを探すことが、生涯のホームドクターを探すということにもつながります。

 生涯を元気で過ごすために、治療法の情報を得ること
伊藤聡子  さて、さきほどの水沼先生のご講演でもホルモン補充療法のことがあったんですが、もう一度ここでお聞きしようと思います。小山先生、症状にあった治療法をやっていくことがゆくゆくの人生を楽しく、楽にしていくことにつながるということなのでしょうか。

小山嵩夫 たとえば更年期障害では、原因は「体内の女性ホルモンの低下」と「本人の気質」「人間関係を中心とした環境要因」。この三つなんですね。そうすると、まず一番簡単な対処法は女性ホルモン補充なんです。反対に、一番変えにくいのは人間関係を主体とした環境要因。そして本人の気質要因に効くのは、精神科の薬や漢方です。
ですから、理論的にいっても一番簡単な方法であるホルモン補充療法をまず使わないという手はないんです。
女性ホルモンが効くのは、骨、血管、脳細胞、肌とか粘膜です。閉経とともにこうした器官で急激に老化萎縮が始まるわけで、ホルモン補充療法はこれをゆっくりにする作用があるんです。ゆっくり老化しながらその間の活動性を保つというわけで、女性ホルモンをうまく使おうというのが欧米の考え方ですね。

伊藤聡子 服部さんはご存じでしたか?

服部真湖 もちろん、知っていましたが、いつごろから飲んでいつまで飲むのかとか、やめちゃったらどうなるのという不安はあります。

 ホルモン補充療法。欧米では元気さの維持のために

小山嵩夫 飲み始めとして一番いいのは、女性ホルモンが下がってきていろいろな症状、骨量減少などが起こる時期、具体的にいえば40代後半から50代ですね。学問的には60歳前に始めればそれなりの効果はあるとされています。それでは65歳の人が飲んでも効果がないかというとそうではなく、肌の保湿効果とか50歳ごろの人と比べれば多少落ちますが、効果はあります。
いつまで飲むかというのは個人差があります。更年期障害の改善だけが目標なら数年やってやめてもいいし、元気さの維持、いわゆるQOLが目的であれば、きちんと定期検診などを受けながら5年10年と行っていくのがいいですね。さきほどから何度も出ているように、日本には病気予防という観点があまりないんですが、欧米ではQOL維持のために使用されます。
一度やめて、2〜3年たってからまたやる人もいます。気が変わった、というかその時々の体調の変化に対応してですね。担当の先生と相談されるといいと思います。

伊藤聡子 更年期のつらい時期というのは決して短くないですから、その間、いかに楽な状態でいるかはとても大切なことですよね。

三羽良枝 子育てや家事などに追われる時期を過ぎ、自分自身の人生を見つめ直す時期ともいえるのが更年期です。そういう時に体調が悪いのは、自分もつらいし、パートナーにとってもつらいでしょうね。女性たちは更年期以降40年近くあるわけですから、それをいかに過ごしていくかということは重要な問題だと思いますよ。

服部真湖 そうですね。自分の体は自分が責任を取っていかないといけないのですが、一人で悩むことは全然ないし、人に聞くことは恥ずかしいことじゃないと私は思っています。自分のまわりには同じ経験を経ている人もたくさんいると思うので、あまり考え込まないで、たくさんドアをあけていろんな人と会話を持っていきたいですね。情報も得られるし、病気に関係なくお友達の輪もできるかもしれない。

三羽良枝 更年期に入って不調を感じたら、適切な医療を受けながら、あわせてライフスタイルの見直し、運動、食事にも気を配ることが大切だと考えています。そして元気になったら、それまで自分ができなかったことなどにも挑戦できます。これから本当に輝いて、大人の女性として魅力ある人生を過ごしていただきたいと思います。私も皆様といっしょに健康づくりの活動に頑張りたいと思っています。

伊藤聡子 私も充実して過ごしたいです。行きつけの信頼できるお医者さんを作って相談していくということも大切ですね。
今日は皆さんありがとうございました。

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 英語で「閉経」「更年期」
 のこと。

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