「全身が痛い」「体が重くて何もしたくない」 そんなつらさを和らげる 更年期健康エクササイズ【動画付き】
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じっとしていると、体はますます動きにくくなります
めまいや頭痛、関節痛があったり、ひどく疲れやすかったり。更年期にはそんな不調が続いて体を動かしたくなくなることもしばしばです。「軽い運動でもすれば?と周囲からいわれますが、元気な人向けの体操などはとても無理」と感じることもあるでしょう。
不調なときはまず休養し、自分なりの生活リズムを取り戻すことが大切。その中で、できる範囲で体を動かすことは、回復にも役立ちます。毎日5分だけでも手足を伸ばして動くことで血行がよくなって肩や首のコリがほぐれ、食欲や質のいい睡眠にもつながります。
ここでご紹介する「メノポーズ健康エクササイズ」は、不調を抱えて体力がないときにも気軽にできて、更年期症状のさまざまなつらさに役立つことを目的に考案されたものです。
特別な器具や広い場所は必要ありません。いつ行なってもかまいません。特に、朝目が覚めても体が動かないとき、パニック感に襲われたとき、夜、寝付けないときなど、困ったときこそおすすめです。無理なく毎日生活の中に取り入れて全身のコリをほぐし、心と体をリラックスさせましょう。
更年期女性のためのオリジナル体操『メノポーズ健康エクササイズ』より(監修:フィットネスインストラクター山岡有美先生)
肩こり予防「エンジェル体操」
肩の力を抜き、天使が羽をはばたかせるように肩甲骨を寄せたり、広げたり、呼吸を合わせながら動かします。肩と背中の緊張がほぐれ、気分がすっきり。肩こり予防にも役立ちます
1 ひじを後ろに、肩甲骨と肩甲骨を寄せます。
- 2 次に両ひじを前に、肩甲骨の間を広げます。
- 3 肩甲骨を後ろに寄せながら、肩を上げたり下げたりします。
- 4 肩をゆっくり、大きくまわします。
5 最後は大きな樹を抱えるようにして、ふーっと息を吐きます。
朝の空気を全身に「サンサン体操」
カーテンを開け、「太陽さん、おはよう!」という気持ちで上にむかって体を広げ、大きく息を吐きましょう。深呼吸は「吐く」ことから始まります。大きく吐いた分、新鮮な空気が取り込めます。
1 肩と背中の力を抜いて、ひざを軽く曲げてかがみます。
2 気を下から持ち上げるつもりでゆっくり体を起こし、両手を広げて胸を開きます。
3 上に向かってフウーッと長く息を吐いたら気持ちよく深呼吸しましょう。
骨盤まわりを柔軟に「フラフープ体操」
骨盤や股関節をフラフープを回すように柔らかくほぐします。足腰の柔軟性を保つことでちょっとした段差での転倒を予防するのに役立ちます。腰周りを動かすことで大腸の働きを促すので便秘予防にもおすすめです。
1 足は腰の幅くらいに開き、手は自然に伸ばします。
2 フラフープを回す要領で、骨盤を水平に回します。はじめはゆっくり、リズムに乗ったら軽快に、右周りにも左周りにもまわしましょう。
3 固くなりがちな股関節も柔らかくほぐします。両手を腰に当て、突き出すように後ろ、前、左右に動かしてもよいでしょう。
4 次は片足ずつ。ひざをのばしたまま、足の先でお風呂のお湯をかきまぜるようにします。
5 膝から下だけで、お風呂のお湯をかきまぜるように回してもよいでしょう。
エンジェル体操 サンサン体操 フラフープ体操の動画はこちら
不眠対策「セボリラ体操」
背筋の緊張をゆるめてリラックスさせ、安眠をもたらす運動です。寝室で寝る30分前ぐらいにふとんの上などで行うと、自律神経を整えぐっすり眠れます。
- 背骨をまっすぐにすると自律神経が整い、交感神経が優位に働いてしゃきっとした気分になります。
- 続いて上体をゆっくり回すと副交感神経が優位になり、眠気や落ち着きをもたらしてくれます。
1 あぐらをかくように座り、肩の力を抜いて背骨をまっすぐにします。
2 背骨を軸に見立て、上半身をゆっくりと回します。逆円錐形や天使の輪をイメージしながら、反対回りもやりましょう。気持ちが落ち着き、心地よくなってきたら止めて床に入ります。
セボリラ体操の動画はこちら
心が落ち着く 「パニック安心体操」
気持ちが不安定になったとき、呼吸を整えて落ち着いた感覚を取り戻す体操です。「ツボ押し→足踏み→パッティング」の流れを覚えておいて、パニック感に襲われたらいつでもどこでもやってみましょう。このとき、心では「大丈夫、必ず落ち着く」と確信を持って行うのがコツです。自分の心と体を自分でコントロールできるという実感を取り戻してください。
ツボ押し
- 両手の指で胸の間を押さえます。
- 指で胸の真ん中をぐーっと押さえ背中を丸めながら息を吐きます。
- 2~3秒したら指を離して息をゆっくり吸い込みます。
- これを数回繰り返すと呼吸のリズムが整って、気持ちのバランスが取れてきます。
その場足踏み
5 その場で足踏みを数回。この時、意識を足に集中し、大地をしっかり踏んでいるということをイメージしましょう。
パッティング
6 片足のふくらはぎから太もも、反対側の足、お尻、背中、左右の腕、そして顔へとパッティングしましょう。皮膚への心地よい刺激が脳に伝わり、冷静な感覚を取り戻してくれます。
パニック安心体操の動画はこちら
*更年期症状による不調や忙しい生活の中で時間がとりにくいときでも気軽にできて、体に優しく役立つ体操をというコンセプトで考案された「メノポーズ健康エクササイズ」のオリジナルDVDが販売中です。女性の健康とメノポーズ協会ウェブサイトよりお問い合わせください。